基本編 — グリッドで今できること


グリッドは「エージェントのボード」

グリッドビューは、複数の AI コーディングエージェント(Claude Code / Codex)を並行して監督する ための画面です。バイブコーディング(vibe coding)を 1 体で回している間は端末 1 枚で足りますが、 並列エージェントにした瞬間に必要になるのがこの画面です。各セルは独立した 1 体の エージェント(または端末)。1 つが考えている間に別のセルを進め、呼ばれたセルだけ拾う——入力・許可待ちは 琥珀色、ターン完了(レビュー待ち)は緑のリングで光ります。全部を見張らずに、1 人で多数を回すのが狙いです。

グリッドがアプリそのものです。 http://localhost:34567/ を開くとここに来て(URL は /terminals に 落ち着きます)、切り替える先の画面はもうありません。1 体に集中したいときはそのセルを拡大します。 拡大したセルはウィンドウを占有し、その横に GUI パネル(Canvas) が開きます — そのエージェントの ツール呼び出しが、文字出力ではなく図・フォーム・画像・書類・スライドとして描画される場所です。

拡大した 1 体と、その横の GUI パネル

4.0.0 での変更。 3.x までは /chat に独自ツールバーを持つ単一ビューがありましたが、廃止 されました。持っていたものはすべてグリッドにあり、/chat は他の未知の URL と同じくグリッドに 着地します。→ 4.0.0 セットアップガイド

上部ツールバーは 1 列で、区切り線の左が「どのビューにいるか」、右が「その中で何をするか」です。

グループ ボタン
ビュー切り替え(区切り線の左) Grid と Collections — 居場所はこの 2 つ
ピン留めしたコレクション / フィード(区切り線の左、独立したグループ) ツールバーに昇格させたお気に入り。どちらのビューからでも 1 手で開けます。昇格させるまで何も出ません(→ 毎日開くお気に入りをツールバーに出す)
Collections の中にいるとき Feeds・Wiki・Accounting・Files が現れます
グリッドにいるとき Pull requests・Worklog・New terminal・並び順・状態カウント
常時 サウンド・ロスター / フィルムストリップ・Settings

全画面のオーバーレイ(Collections・Wiki・PRs・Accounting・Files)は、閉じると開いた場所のビューに戻ります。

エージェント/シェルを起動する(ランチャフォーム)

グリッドの空きセルには ランチャフォームが出ます。ここで「何を」「どこで」動かすか選びます。

空きセルのランチャフォーム

部分 役割
Agent Picker(Claude / Codex / Antigravity / Grok / Muse / Copilot / Cursor / Shell) このセルで動かすものを選ぶ。エージェントか、Shell(OS 標準シェル $SHELL。インストールも設定も不要)。実際のエージェントセッションを起動するのはこのコントロールで、下の launch commands はユーザーが書いたコマンドをそのまま実行する。各エージェントに何が必要か・どう再開するか・GUI ツールにどう到達するかは → どの coding agent を使うか
WORKING DIRECTORY 作業ディレクトリを入力(再生ボタンで起動)。よく使うディレクトリは cwd presets のチップをクリックして入力(チップの再生ボタンで即起動)。チップは起動したディレクトリから自動で記録されますが、worktree は対象外です(1 タスク 1 ブランチの使い捨てで、またそこで起動する場所ではないため)。チップ列の先頭には WORKSPACE が常にあります(→ どのディレクトリで起動するか)
モデル選択(Claude 選択時) このセッションだけのバックエンド/モデルを選ぶ(→ プロバイダ)
Canvas / Workspace data / External accounts のトグル(エージェント選択時) GUI ツール群(render / data / media / external)の MCP サーバを、このセッションではなくディレクトリに登録。Claude / Codex / Copilot を選んでいるときは、ワークスペースを選んでいる間はトグルが消えます — そこでは登録しなくても全部使えるからです。Antigravity / Grok / Muse / Cursor ではワークスペースでも残ります(登録がそれらの唯一の入手経路 → Antigravity・Grok・Muse・Cursor はどこでも登録が要る)
OR ISOLATE IN A WORKTREE git リポなら、タスク名を入れて New worktree。作業を隔離した worktree を作って起動。既存の worktree はその下に一覧表示
OR RESUME HERE そのディレクトリに既にある会話のうち、Agent Picker で選んでいるエージェントのもの。クリックすると続きから再開。Claude 以外のときは見出しがエージェント名を含みます(or resume a codex conversation here)
OR LAUNCH 設定済みの起動コマンド(codex / htop / 任意)を永続端末として起動

1 つの worktree に 1 セッション。 worktree はブランチに紐づくので、多重起動しません。行に何も 出ていなければ最初の 1 つを起動、resume なら続きを再開、in use は別のターミナルで開かれていて クリックできません。→ worktree で作業を隔離する

OR RESUME HERE も同じで、● open のセッションはどこかで表示中なので開けません — ここで開くと 向こうが切断されるからです。「どこか」にはブラウザの別タブや、このマシンで動いている 2 つ目の mulmoterminal も含みます。

● running は「生きているが誰も開いていない」という意味です。セッションはサーバの再起動を またいで生き残るので、再起動のたびにこれが残ります。行はいつもどおり再開できますし、横の stop ボタンでそのセッションだけを終了できます — 会話は消えません(transcript は残るので、 同じ行から後で再開できます)。失われるのはそのとき動いていた作業だけで、だから確認を挟みます。 ● open の行に stop ボタンは出ません(そちらは開いているターミナル側で閉じてください)。

一覧は選んでいるエージェントのものです。 履歴の置き場所はエージェントごとに違い(Claude は ~/.claude/projects、Codex は ~/.codex/sessions、Grok は ~/.grok/sessions、Antigravity は自身の brain ディレクトリ、Muse と Copilot はそれぞれ自前の SQLite インデックス、Cursor は ~/.cursor/projects)、その続きを再開できるのは書いた本人だけです。だから Agent Picker を切り替えると 一覧も入れ替わり、会話は必ず始めたエージェントで再開されます。注意点が 2 つ。Shell では一覧が出ません (再開するものがないため)。そして Antigravity の一覧は MulmoTerminal が起動した 会話しか出せません — agy は会話とディレクトリの対応を記録しないので、ディレクトリは MulmoTerminal 自身のログから取っており、 Antigravity IDE で始めた会話はここには出てきません。

ディレクトリを変えると、これらの一覧はその場で消えます。WORKING DIRECTORY の下にあるもの (OR RESUME HERE、worktree の行、OR RUN A SCRIPT)は、そのとき欄に入っていたディレクトリに 対して読んだ結果です。別のディレクトリを入力したりチップで選んだりした瞬間に一覧はクリアされ、新しい 一覧が届くまで Loading this directory's sessions, worktrees and scripts… の 1 行に置き換わります。 残したままにすると、それは前のディレクトリの行が新しいディレクトリの名前の下に並んでいる状態で、 クリックすればそこに書かれているとおりのセッションが再開されてしまいます。

Shell も、作業ディレクトリと再生ボタンはエージェントと同じものを使います。シェルにはモデル・ MCP 登録・worktree がないので、選んでいる間はその 3 つの欄が消えます。開くセルはエージェント セッションではなく、永続端末(実行中/終了)です。

Shell を選んだ同じフォーム — 残るのは作業ディレクトリだけ

どのディレクトリで起動するか — ワークスペースとプロジェクト

WORKING DIRECTORY に何を入れるかで、そのセルが持つ GUI ツールが変わります。 基準になるのはワークスペース — サーバの既定の作業ディレクトリ(CLAUDE_CWD)です。 決まり方は --cwd > 環境変数 CLAUDE_CWD > npx mulmoterminal を実行したディレクトリ の順です。 今どこなのか分からなくなったら、起動時に出る Workspace: … が答えです。 Collections・Wiki・Accounting が読み書きするのは、どのセルにいても常にここです(拡大したセルの横に開く Files ペインだけは、そのセルのディレクトリを見ます)。

どのツールが入るかはディレクトリが決めますが、「ワークスペースなら全部入る」という特例が効くかどうか はエージェント側で決まります。 どう渡せるかはその CLI の性質であって設定ではありません。詳しくは GUI ツールへの到達方法。

エージェント どう渡せるか ワークスペースでは プロジェクトのディレクトリでは
Claude / Codex / Copilot セッション自体に渡すフラグ GUI ツールを全部持ちます。登録は要りません そのディレクトリに登録されたグループだけ — 要るなら MCP トグルで登録します
Antigravity / Grok / Cursor 作業ディレクトリの設定ファイル そのディレクトリに登録されたぶんだけ(ワークスペースも例外ではありません) そのディレクトリに登録されたぶんだけ
Muse マシン単位で入れたプラグインを、セッションごとに絞る そのディレクトリで ON にしたぶんだけ そのディレクトリで ON にしたぶんだけ

Claude のセッションは、どちらのディレクトリでも自分の MCP 設定を読みます(.mcp.json・claude mcp add・claude.ai のコネクタ)。4.4.0 より前はワークスペースのセルだけがそれを読めていませんでした(→ 4.4.0 セットアップガイド)。 設定の MCP servers(userMcpServers)が合流するのは、GUI ツールを全部持つ Claude と Copilot のセッションです。グリッドではワークスペースで起動したものだけが該当します。プロジェクトディレクトリのセルには合流しませんし、Codex にも合流しません(Codex が受け取るのは MulmoTerminal の GUI ツールのほうで、Codex 自身の MCP 設定は ~/.codex 側の話になります)。

3.x までの単一ビューでしていたことを続けるなら、ワークスペースで起動します。 単一ビューはこのディレクトリで動いていたので、ここに起動した Claude / Codex / Copilot のセルは同じものを持ちます。 Canvas に描かせる、コレクションを触らせる、といった操作がトグルなしで通ります。 この 3 つならどれでも同じです。Agent Picker でどれかを選び、ワークスペースで起動してください(→ 4.3.0 セットアップガイド)。Antigravity・Grok・Muse・Cursor を選んだ場合、ワークスペースであることは何も足しません — どこで動かしてもディレクトリに登録されたぶんだけです。 起動コマンド(launch command)はこれには当たりません。 書いたコマンドが claude であっても、起動コマンドは逐語的に実行されるだけなので、そのプログラムが動いているターミナルであって GUI ツールは付きません。エージェントのセッションを始めるのは Agent Picker です。

MulmoClaude と併用しているなら、ワークスペースは MulmoClaude と同じディレクトリにします。 既定は ~/mulmoclaude で、MulmoClaude を clone したディレクトリではありません。 両者がデータを共有している置き場のほうです。 そこを既定にするには、そのディレクトリで npx mulmoterminal を実行するか、--cwd ~/mulmoclaude を渡します(決まるのはサーバの起動時なので、変えるなら起動し直します)。 プリセットスキルと help の配置も、既定の作業ディレクトリがこのワークスペースのときだけ行われます。 → 環境変数(CLAUDE_CWD / MULMOCLAUDE_WORKSPACE_PATH)

ワークスペースはチップ 1 つで選べます。 ランチャのチップ列の先頭には、最近使ったディレクトリとは別枠で WORKSPACE チップが常に出ています(ディレクトリ名ではなく役割名で、専用アイコン付き)。 再生ボタンでそのまま起動、チップ本体を押せば WORKING DIRECTORY に入るだけです。 Claude / Codex / Copilot を選んだ状態でワークスペースを選んでいる間は MCP トグルが消え、代わりに GUI TOOLS — All of them, automatically と出ます。登録するものが無いからです。Antigravity / Grok / Muse / Cursor を選ぶとトグルは戻ります(ワークスペースでも)。次項を参照してください。

ランチャのチップ列 — 先頭がワークスペース

プロジェクトのディレクトリで GUI ツールが要るときは、MCP トグルで登録します。 どのトグルが何をもたらすかは、Canvas(render / media)が拡大したセルの横のパネル、Workspace data(data)がコレクションと帳簿、External accounts(external)が Google や X などの外部アカウントです。 トグルはセッションではなくディレクトリへの登録なので、効くのは次にそこで起動するセッションからです。 動いているセッションに後から載ることはありません。

Antigravity・Grok・Muse・Cursor はどこでも登録が要る — ワークスペースでも

この 4 つにその特例はありません。 ワークスペースで起動しても、GUI ツールは そのディレクトリに登録されているぶんだけです。つまり、何も登録していないワークスペースで動かした agy / grok / muse / cursor セッションは GUI ツールを 1 つも持ちません。一方、以前 Canvas を入れた プロジェクトでは同じセッションが使えます。これが分かりにくさの正体です — 「全部使えるはずの」 ワークスペースでだけ presentDocument が無く、プロジェクトでは動く、という形で出ます。

理由は仕様上の構造で、不具合ではありません。Claude / Codex / Copilot は起動時にセッション単位の MCP 設定を渡されます(--mcp-config、-c mcp_servers.…、--additional-mcp-config)。だから ワークスペースでは全部渡してしまえます。残る 4 つにはその口がありません。agy・grok・cursor は 作業ディレクトリのファイルから MCP サーバを読みます。agy は .agents/mcp_config.json で、これは そのディレクトリのトグルから MulmoTerminal が書き出しています (→ 2.8.0 セットアップガイド)。grok は .grok/config.toml で、こちらは grok 自身の grok mcp add -s project 経由なので、ファイルの他の記述はそのまま残ります。muse はどちらでもなく、 マシン単位で入れたプラグインから読みます。MulmoTerminal は 4 グループ全部を持つプラグインを 1 つ 登録し、セッションごとにそのディレクトリで ON になっているぶんへ絞ります (→ 4.7.0 セットアップガイド)。いずれも「特定のセッションにだけ渡す」ことができないので、 「ワークスペースにいる」ことで変えられるものが無いのです。

Cursor は .cursor/mcp.json を読み、この 4 つの中で唯一「サーバごとの承認」が要ります。 (Muse も承認は要りますが、マシン全体のプラグイン 1 つに対して 1 回だけです。)MulmoTerminal は そのディレクトリで cursor のセルを最初に起動したときにこのファイルを書き、そのうえで自分が書いた項目 だけを cursor-agent mcp enable で承認します。cursor は未承認のサーバを読み込まず、しかもそれを黙って伏せる ため(セルからは「MCP サーバが無い」としか見えません)、書くだけでは半分しか終わらないからです。自分で そのファイルに書いた MCP サーバはそのまま残ります。

Antigravity / Grok / Muse / Cursor のセッションに GUI ツールを持たせる手順(ワークスペースでも、それ以外でも同じ):

  1. 空きセルのランチャで、Agent Picker の Antigravity・Grok・Muse・Cursor のどれかを選びます。
  2. WORKING DIRECTORY にディレクトリを入れます(ワークスペースなら WORKSPACE チップ)。
  3. Canvas / Workspace data / External accounts のトグルはそのまま出ています — Claude / Codex / Copilot のときのように消えません。必要なものを ON にします。presentDocument・presentChart・ presentHtml・presentForm を持ってくるのは Canvas(render)です。
  4. セッションを起動し直します。 トグルはディレクトリへの登録なので、既に動いているセッションには 届きません。開いているセッションは起動時に渡されたものを持ち続けます。

外から確かめるなら、<そのディレクトリ>/.agents/mcp_config.json(Antigravity)・ <そのディレクトリ>/.grok/config.toml(Grok)・<そのディレクトリ>/.cursor/mcp.json(Cursor)に mulmoterminal-render サーバが入っているかを見ます。Muse はマシン単位の登録なので、 muse plugins list に出ているかを見ます。cursor のセルでは、承認まで済むと cursor-agent mcp list が ready と答えます(承認はセル起動時に自動で行われます)。セッション内でのツール名は mcp__mulmoterminal-render__presentDocument、Muse のセルでは mcp__plugin_mulmoterminal_render__presentDocument です。3 つとも常にグループごとのサーバ id を使い、 ワークスペースの Claude / Codex / Copilot セッションが見る mt id にはなりません。

セルの読み方 — 「どこで何をしているか」

起動したセルのヘッダーは 2 段。ここに、そのエージェントの状態・位置・作業内容が集約されます。

起動したセル(2段ヘッダー)

図はレイアウトを示す例です。各セルには通常エージェントのセッションが入り、ヘッダーにそのエージェントの状態・モデル・作業内容が出ます(図の中身は端末の例)。

  • 1 段目(見比べるもの):状態ドット・プロジェクトバッジ・git チップ(⎇ ブランチ ●変更数)・ モデル/コンテキスト量・そのエージェントが今やっていること・自分で書けるメモ・並べ替え/拡大/退避/閉じる。
  • 2 段目(読むもの・操作):ディレクトリのパス(クリックでメニュー —— Reveal in the file manager・Browse files in the app(このターミナルの隣に出るファイルペイン。 タイル表示なら先にセルを拡大します)・New terminal here・リポジトリの Repository / Issues / Pull requests / Actions)・Run・Skills・Insert a file path(既定ボタン。 設定で置き換え可)・Activity timeline(時計)=ツール呼び出し履歴。 接続状態は接続中・失敗時だけここに出ます。

目的のファイルが決まっているなら、ファイルツリーのヘッダーにある検索ボタンから探せます。 名前の一部を打って候補から選ぶと、ツリーもそのファイルの位置まで開いた状態で開きます。 git リポジトリなら候補は git から取るので、.gitignore で除外されているものは出ません。 git リポジトリでないディレクトリはツリーを走査します。ignore ファイルは一切読まず、 node_modules・仮想環境・キャッシュなど手で書かないディレクトリだけを短いリストで飛ばします。 その旨はパネルにも出ます。同じパネルは files-find ショートカットでも開けます(ペインが閉じていれば先に開きます)が、 既定では何も割り当てられていません。

探しているのがファイルではなく「行」なら、その隣のボタンでファイルの中身を検索できます。 結果はファイルごとにまとまり、その下に該当行が並びます。選ぶとそのファイルが開き、 カーソルがその行に移ります。クエリは正規表現トグルを入れない限りそのままの文字列として扱われ、 大文字小文字は smart case です——小文字だけのクエリは大文字小文字を問わず一致し、大文字を含むクエリ は区別します(Aa トグルで常に区別させられます)。.gitignore の扱いは上と同じで、エージェントが ついさっき作ったファイルも検索対象です。未保存の編集があるファイルは、ディスクの内容ではなく 画面に見えている内容が検索されます。そのファイルには unsaved と表示され、行番号も画面どおりの ものになります。ただしこれは既定のリテラル検索での話で、正規表現トグルを入れるとそのファイルは 検索対象から外れます(「保存してください」と表示されます)。入力途中のパターンを画面上で実行すると ページが固まり得るためです。どちらの場合も、そのファイルのディスク側の古いヒットは捨てられるので、 移動してしまった行に飛ばされることはありません。

入力した文字列は各行の中で強調されます。 行の途中や末尾でマッチしていて行の右端からはみ出す 場合は、その位置まで行をずらして表示します——これが無いと、長い行の末尾でマッチしたときに 「探した当の文字列以外が全部見えている」という結果行になってしまいます。選択中の結果は前後の行に 開くので、パネルを離れずにそれが目当てのものか判断できます。編集中のファイルについては、マッチ そのものと同じく画面に見えている内容から取ります。一覧の上には全体の件数が出ます——これが無いと 最後までスクロールしないと分かりません。files-search ショートカットからも開けますが、こちらも 既定では割り当てられていません。

ファイルツリーの行を右クリックすると、そのファイルのパスをターミナルのカーソル位置に 挿入できます —— Insert relative path / Insert absolute path。行の上で Shift+F10 でも同じものが 開きます(項目間は矢印キー)。ディレクトリでも使えます。相対パスの項目は、ツリーとターミナルが 同じディレクトリにあるときだけ出ます(そのときだけ両端で同じ意味になるため)。

状態は色で分かります。 青みがかった枠=作業中(考え中)、琥珀色=入力・許可待ち(Needs input)、 緑のリング+グロー=ターン完了・レビュー待ち(Done — review。サムネイルのドットもロスターの行も同じ緑)、通常=アイドル。 通知音も鳴るので、画面を見張らなくても「呼ばれた」と分かります。これがグリッドの肝です。

たくさん並べる・ページ・並べ替え

  • セルは起動パネルから追加します。ツールバーの + はワークスペースで、各ターミナルのヘッダーにある + はそのターミナルの作業ディレクトリで開きます。セルは起動した時点で現れます。 1 ページ 9 セルまで、あふれると次のページ(タブ)へ。
  • 並び順ボタンは3つのモードを切り替えます — auto(注目度順:呼んでいるセルが上に浮く)、manual(各セルの移動ボタンで自分で並べる)、priority(各プロジェクトが .mulmoterminal.json の orderPriority で宣言した順。設定)。

並行するエージェント

1 体に寄る(コックピット・ロスター)

セルの Expand(拡大)でそのエージェントを大きく表示すると、横にコックピット・ロスター—— 全セッションを 1 行ずつ並べたテキスト一覧——が出ます(既定)。各行には、ディレクトリ・そのセッションが 何についてのものかを表す要約・ 直近のプロンプト・最新の返答・状態語(running / planning / done / idle …)、さらにブランチの PR フェーズ(draft / CI fail / changes / ready / merged …)のバッジ。行クリックで拡大対象を 切り替え。各行の ⋮ メニュー(行の右クリックでも同じメニューが開きます)は、拡大せずにそのセッションを 操作します。未読にするは idle の行に緑の done の色を付け直し、あとで一覧から拾えるようにします(色だけで、 音は鳴りません。開けば今までどおり消えます)。既読にするは待ちの行の色を消します。脇に置くと閉じるは セルのヘッダーのボタンと同じ操作です(閉じるはその場でセッションを終え、worktree は残します)。手動ソート のときは 1 つずつの並べ替えもここから。手動ソートのときは各行にドラッグハンドルが 出て、つかんで任意の位置へ落とせます。ドラッグ中はロスター自体がその場で並び替わる(アニメーション付き) ので、見えている並びがそのまま結果です。auto / priority は並び順を自分で計算し直すモードなので、 ハンドルは出ません。拡大したまま、残り全員の「何をして、どこまで進んだか」が 文字で追える——多数を回すときの主戦場です。

要約の出どころ。 どのエージェントにも出ます。Claude では Claude Code が自分で書いた タイトル。それ以外では、そのエージェント自身のストアがそのセッションを何と呼んでいるか——履歴一覧に 出るのと同じラベルです。codex / cursor / Antigravity / grok はセッションを開いた ときのプロンプト、copilot / muse はエージェント自身の要約・タイトルで、この2つは会話が 進むにつれて書き換わります。

コックピット・ロスター — 左に全セッションのサマリー一覧、右に拡大した 1 体

右上の Show list roster / Show thumbnail strip ボタンで、ロスターとフィルムストリップ(サムネイル列。ヘッダー余白クリックで切替)を 行き来できます。Restore でグリッドへ戻ります。

拡大(フィルムストリップ表示)

拡大するターミナルをキーボードで切り替える

拡大対象を次/前のターミナルへ移すキーを割り当てられます。ロスターの行をクリックするのと同じ操作を キーボードから行うもので、マウスに持ち替えずに盤面を一周できます。辿る順序は画面上の並び順なので、 ロスターの現在のソート(注目順を含む)にそのまま従います。

既定では何も割り当てられていません。 割り当てたキーは、その分ターミナル内のプログラムに届かなくなります。 このトレードオフはユーザ自身が決めるべきものなので、~/.mulmoterminal/config.json に keymap を書いて はじめて有効になります。keymap が無ければ機能ごと無効です。

{
  "keymap": {
    "zoom-next": "PageDown",
    "zoom-prev": "PageUp"
  }
}

→ 記法・割り当てられるアクション一覧・そもそも割り当て不可能な組み合わせは 設定 → キーボードショートカットへ。

挙動として押さえておく点が2つあります。

  • 拡大中のみ有効です。 通常のグリッド表示では何も起きません。zoom-next / zoom-prev が動かすのは 拡大対象で、拡大していなければ動かす対象が無いからです。グリッド表示のままセル間を移動したいときは focus-next / focus-prev を割り当ててください。こちらが動かすのはカーソルで(フォーカス中のセルが 浮き上がり、端ではページも切り替わります)、逆に拡大中は何もしません。2つのペアには別々のキーを 割り当ててください。1つのキーは1つのアクションにしか解決されないので、両方を割り当てると片方は効きません (どちらが負けたかは、サーバー起動時に警告として表示されます)。
  • 端では止まります(巻き戻りません)。ターミナルが2つだけだと押下の約半分が無反応になります。先頭での 「前へ」と末尾での「次へ」は、仕様として何も起きません。

Restore で拡大を解除すると、元々拡大を始めたページではなく、直前まで見ていたターミナルのあるページに戻ります。

割り当てたキーはターミナル内のプログラムから奪われます。 PageDown を割り当てると、拡大中このキーは less や vim、Claude Code 自身のページ送りには届きません。修飾キーは完全一致で判定するので、修飾なしの キーを割り当てた場合 Shift+Page Up / Shift+Page Down は奪われません——ターミナルのスクロールバックは そちらで遡れます。IME 変換中は常に素通しするので、変換候補を Page Down でめくる操作はこれまでどおり動きます。

Mac のラップトップキーボードには独立した Page Up / Page Down がないため、Fn+↑ / Fn+↓ を使ってください。

複数のエージェントを混在させる

同じグリッドで、セルごとに Claude・Codex・Antigravity(agy)・Grok・Muse・Copilot・ Cursor を起動できます。端末だけ欲しいときは Shell も選べます。エージェントはどれも同じ端末体験・永続化・GUI パネル・可視化の仕組みを共有。得意分野で 使い分けたり、同じタスクを複数に投げて見比べたりできます。それぞれ何をインストールする必要があるか・ どう再開するか・終わったときに教えてくれるのはどれかは → どの coding agent を使うか。 以下の 2 つは、GUI パネルの登録がディレクトリ単位になる 2 つです。

Antigravity は agy が PATH に載っている必要があります。バイナリ・モデル・会話の置き場所は ANTIGRAVITY_BIN / ANTIGRAVITY_MODEL / ANTIGRAVITY_HOME で変えられます。1 点だけ仕組みが違い、GUI パネルの 登録はディレクトリ単位(.agents/mcp_config.json。git status には出しません)でセッション単位ではありま せん。agy がプロジェクト単位で読むファイルがこれ 1 つだけだからです。

Grok は grok が PATH に載っている必要があります。バイナリ・モデル・セッションの置き場所は GROK_BIN / GROK_MODEL / GROK_HOME で変えられます。GUI パネルの登録はやはりディレクトリ単位で .grok/config.toml に書きますが、書き込みは grok 自身の grok mcp add -s project に任せるので、その ファイルに書いた他の内容はそのまま残ります。再開の仕組みは他の 2 つより Claude 寄りで、セッション ID を MulmoTerminal が先に決めるため、リロードしても探しものなしで同じ会話に戻ります。


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